巡拝お寺ガイド

七宝山 持宝院 しっぽうざん じほういん もとやまじ 第七十番札所 本山寺

阿弥陀様の加護により兵火を免れた寺
御詠歌

本山に誰が植えける花なれや春こそ手折れ手向けにぞなる

本尊

馬頭観音

真言

おん あみりとう どはんば うん ぱった そわか

宗派

高野山真言宗

開基

弘法大師

お寺の歴史・全体像

田園風景の中に、遠くからでも見える五重塔は、この札所を目指すお遍路さんにとって格好の目印です。本山寺は大同2年(807)、平城天皇の勅願により弘法大師が一夜ほどで建てた「一夜建立」の寺であると伝えられています。この用材は讃岐の山では手頃なものが見つからなかった為、阿波の祖谷山より切り出したものだといいます。この時、馬頭観音(ばとうかんのん)、脇士の薬師如来と阿弥陀如来を一刀三礼にて刻みました。馬頭観音を本尊としているのは、八十八ヶ所でもこの札所が唯一。馬が盛んに草を食べるように、人間が持っている悪心や欲心、怒り、悩みをなくしてくれるのだといいます。境内には実物大の2頭の馬の像も立っています。また、戦国時代に讃岐を襲った長宗我部元親の兵火を免れた数少ない寺院の一つです。元親が讃岐に攻め入った時、本山寺にも軍勢が押し寄せました。しかし当時の住職は境内に入ろうとする兵を押し留め、斬られてしまいます。兵が境内に入ると阿弥陀如来の右の肘から血が滴り落ちてきたと言います。驚いた兵は境内から退き、寺は戦火から免れたといいます。この伝説から阿弥陀如来は「太刀受けの弥陀」とも呼ばれています。当時の姿を残す建造物には趣があり、悠久の風情を色濃く漂わせています。

お寺について

  • 本堂

    寄棟造りで、本瓦葺きの重厚な建物。正安2年(1300)に建てられたもので、外観は京都風、内部は奈良風。鎌倉時代の折衷様式の傑作とされ、国宝に指定されています。昭和27年から30年には解体修理が行われました。建立当時の姿を留める屋根カーブは、素朴でありながら独特の美しさと安定感をたたえています。

  • 五重塔

    遠くから寺を望む時、こんもりと盛り上がった森の中に突出する塔の姿は、目に焼きつきます。
    弘法大師が大同4年(809)に建立した創建時の損傷が激しく見る影もない有様だったのを、明治43年に住職であった頼富実毅(よりとみじっき)僧正が復興させたものです。盲目だった頼富僧正は、札所巡りの五十九番の国分寺を出て歩く途中で霊験を得て目が見えるようになり、その恩のために堂宇の復興に意欲を燃やしたと言います。

  • 大師堂

    大師堂

    本堂に向って前方に建つ三間堂で、棟札(むなふだ)から弥勒堂(みろくどう)、あるいは祖師堂(そしどう)とも呼ばれていたことが分かります。昭和59年から平成元年にかけて大修理が行われました。それに合わせて調度品も整えられ、すっかり美しくなりました。

  • 本山寺鎮守堂

    本山寺鎮守堂

    室町時代末期の様式を残す小社。安置されていた善女龍王(ぜんにょりゅうおう)像は南北朝時代から室町時代初期のもので、請雨秘法の霊神です。弘法大師が京都の神泉苑で雨請いの修法を行った折に、その勧進によって姿を現したと言います。

立ち寄りスポット

  • 六ツ松亭

    六ツ松亭

    七十一番札所へ続く道沿いにあるうどん屋。駐車場が広く、200席あるため、車で移動するお遍路さんで賑わいます。セルフのうどんは220円からで、大は80円アップ。丼や定食は食券を購入します。おにぎりや天ぷらなどの惣菜(80円~)も豊富です。焼肉や会席料理、冬場は寄せ鍋もいただけるので、宴会利用にもおすすめです(要予約)。

    住所 : 香川県三豊市高瀬町下勝間1251-6  TEL : 0875-72-5131

本山寺までの地図

本山寺までのアクセス

さぬき豊中インターチェンジから観音寺市内向きに国道11号線へ。観音寺信用金庫がある交差点を右折して直進。本山寺の五重塔が見え、左に駐車場があります。

  • さぬき豊中インターチェンジからは約5分
  • 第七十一番札所の弥谷寺まで車で約30分
本山寺
住所 : 香川県三豊市豊中町本山甲1445
TEL : 0875-62-2007
寝坊 : なし
駐車場 : あり(寺すぐ前・境内まですぐ、無料、30台)

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