巡拝お寺ガイド
医王山 無量寿院 いおうざん むりょうじゅいん やくおうじ 第二十三番札所 薬王寺
大師も眺めた日和佐の海を一望する
御詠歌 | 皆人の病みぬる年の薬王寺瑠璃の薬を与えまします |
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本尊 | 薬師如来 |
真言 | おん ころころ せんだり まとうぎ そわか |
宗派 | 高野山真言宗 |
開基 | 行基 |
お寺の歴史・全体像
神亀3年(726)に行基が開基し、弘仁6年(815)に大師が平城天皇から、厄除け祈願寺を開くようにとの勅願を受けて本尊の薬師如来を刻んで安置し、厄除けの根本祈願寺としました。平城天皇、嵯峨天皇、淳和天皇、鳥羽天皇と、歴代の天皇が厄除け祈願をするために勅使を遣わしたといいます。嘉禄2年(1226)には土御門上皇が皇后として住まわれました。その後も嵯峨天皇が伽藍を再建されたり、仁助法親王が落慶供養をしたり、藩政時代には蜂須賀家から寺領を賜るなど、大変な信仰を集めた寺です。今でも厄除けの寺として全国では有名。参拝する人が後を絶たない。
鯉の泳ぐ、用水路にかかる厄除け橋を渡って仁王門をくぐると急勾配な女厄坂があります。階段を上りきったところの絵馬堂には厄除け臼があり、自分の歳の数だけ厄除けを祈願しながら杵でつくのが習わしです。女厄坂の次は男厄坂。それを上がると本堂に出ます。本堂の右手から瑜祇塔(ゆぎとう)へは、その本堂右手の還暦厄坂を上ります。男厄坂を上った広場や瑜祇塔からは日和佐の街並みとウミガメのやってくる海を見下ろすことができ、爽快な気分にさせてくれます。
お寺について
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本堂
開創以来、幾度かの火災や天正の兵火などで焼失・再建をくり返したが、現在の本堂は明治41年(1908)に再建されたものです。本尊の薬師如来にまつわる不思議な伝説が残っています。文治4年(1188)の火災の時に焼失を免れるため、自ら玉厨子山に飛び去り、毎夜光りを放っていたといいます。その後伽藍を再建し、新しい薬師如来を安置したところ、飛び去っていた薬師如来が再び飛び戻ってきて、新しい像の後に座られたといいます。それからは後ろ向きの薬師と呼ばれています。
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厄坂
厄坂はそれぞれ3つあり、女厄坂は33段、男厄坂は42段、還暦厄坂は61段です。石段の下には薬師本願経を小石に1字ずつ書いたものが埋められていて、1段ごとに賽銭を置きながら上がっていくのが習わしとなっています。一円玉や五円玉を沢山用意していくのが得策です。
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瑜祇塔
真言宗の経典である瑜祇経の教理を形にあらわしたもので、高さ29mの塔です。地下は真っ暗な戒壇めぐりに、閻魔図などの書画を展示しています。1階には弘法大師の一生を著した、高野大師行状図画を展示しています。約700年前のもので、国宝に指定されています。2階展望台には幸せを運ぶという金色の亀がいます。見学料は大人100円です。
立ち寄りスポット
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鯖大師本坊
その昔、弘法大師をののしった馬子の馬が病気になり、積み荷の塩鯖を差し出して大師に馬の病気を治してくれるように頼んだといいます。その塩鯖を大師が海に放つと、生き返って泳いだという伝説から、鯖を3年絶って祈願すると願いごとがかなうといわれています。交通安全の守り神、馬頭観世音菩薩も安置されています。
住所 : 徳島県海部郡海陽町浅川字中相15 TEL : 0884-73-0743
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千羽温泉
ラジウムエマチオンの放射能作用のある単純硫化水素泉で、リュウマチ、神経痛、糖尿病、皮膚病などに効能が高いといわれています。42歳の弘法大師が薬王寺を開基する時に見つけた霊水がこの温泉のルーツという、ありがたい温泉です。大師は病に苦しむ人々に温浴を教え、薬水としての飲用もすすめていたそうです。
住所 : 徳島県海部郡美波町奥河内寺前445 TEL : 0884-77-1277
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室戸青年大使像
昭和59年に建立された、真っ白な若き日の弘法大師像で、高さは21m(内、台座5m)。この種のものとしては日本で最大級だそうです。多くの悟りを開いた室戸岬で、太平洋を見下ろすように海に向かって立っています。台座の内部はステンドグラスの胎蔵界曼陀羅や、木片に残された大師の手形などを見ることができます。
住所 : 高知県室戸市室戸岬町3903 TEL : 0887-22-0506
薬王寺までのアクセス
JR日和佐駅から瑜祇塔が見える。
- JR日和佐駅から車で約1分
- 徳島インターチェンジからは約1時間50分
- 第二十四番札所の最御崎寺まで車で約2時間
- 薬王寺
- 住所 : 徳島県海部郡美波町奥河内字寺前285-1
TEL : 0884-77-0023
寝坊 : あり
駐車場 : あり(門のすぐ前・境内まですぐ、無料、50台)
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