巡拝お寺ガイド
綾松山 洞林院 りょうしょうざん どうりんいん しろみねじ 第八十一番札所 白峯寺
木立の中に崇徳上皇の悲劇を伝える寺
御詠歌 | 霜さむく露白妙の寺のうち御名を称うる法の声ごえ |
---|---|
本尊 | 千手観世音菩薩 |
真言 | おん ばざら たらま きりく |
宗派 | 真言宗御室派 |
開基 | 弘法大師、智証大師 |
お寺の歴史・全体像
五色台の一つ、白峯の山腹にある寺。寺伝によると、弘仁6年(815)、弘法大師が白峯に宝珠を埋め閼伽井(あかい)を掘り堂を建立しました。智証大師がこの山上に霊光を見、白髪の老翁に導かれて瀬戸内海を漂っていた霊木で千手観音を刻み、本尊としました。老翁は当山鎮守の相模坊(さがんぼう)大権現だといわれています。
保元の乱により讃岐に配流された崇徳(すとく)上皇は、坂出市内にあった雲井御所(くもいのごしょ)に3年、木丸殿(このまるでん)に6年間幽閉され、長寛2年(1164)崩御。遺体は白峯寺で茶毘にふされ、白峯御陵に葬られたが、以後たびたび都に変事が続くので、朝廷は当寺に上皇の霊をまつる御廟所として頓証寺殿(とんしょうじでん)を建立しました。また多数の宝物や荘園を献じ、塔頭21坊を数えるほど隆盛したが、天災や兵火のため焼失。現在の建物は讃岐藩主・生駒家と松平家の再建によるものです。崇徳上皇崩御の3年後、西行法師が御廟前に詣で、上皇の御霊と歌を詠み交わしたという伝説があり、上田秋成「雨月物語」にも語られています。
お寺について
-
本堂
頓証寺殿前から100段近く石段を登った所にあります。現在の建物は慶長4年(1599)、生駒一正の再建によるもの。本尊は智証大師作の千手観音で、人々を種々の災難から救う「身代わり観音様」として信仰されています。
-
大師堂
本堂に向って右側に並んでいる。文化8年、松平頼儀が再建したものです。また本堂と大師堂に至る石段沿いには、阿弥陀堂、行者堂、薬師堂などの諸堂が並んでいます。
-
十三重塔
表参道途中にある2基の石塔で、高さ約5m。重要文化財です。崇徳上皇の菩提を弔うために源頼朝が建てた万基の供養塔の一部とも言われているが、左の塔には弘安元年(1278)、右の塔には元享4年(1324)の銘があり、時代が少し下がる。付近には古い石塔や石仏も多く残っています。
-
頓証寺殿
崇徳上皇の御廟所。中央に上皇宸筆の六字名号、向って左に鎮守の相模坊大権現、右に上皇の念持仏十一面観音を祀っています。門にかかる「頓証寺」の勅願は後小松天皇が応永21年(1414)に奉納したもので、重要文化財です。現在の建物は延宝8年(1680)、松平頼重・頼常の再建によるものです。参道左手には西行法師廟参の石像と歌碑が立っています。
白峯寺までのアクセス
坂出北インターチェンジから県道33号線・16号線を経由し坂出市高屋町に至る。県道180号線とのT字路を右折し、標識に沿って道なりに進んでいきます。
- 坂出北インターチェンジからは約30分
- 第八十二番札所の根香寺まで車で約15分
- 白峯寺
- 住所 : 香川県坂出市青海町2635
TEL : 0877-47-0305
寝坊 : あり(団体のみ)
駐車場 : あり(山門前と参道入口・境内まで約15分、無料、100台)
お気軽に
どうぞ!!