お遍路ブログ

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島に残る古の風習vol.4

平成24年3月2日 島に残る古の風習vol.1? 

平成24年3月3日 島に残る古の風習vol.2 

平成24年3月5日 島に残る古の風習vol.3 の続き

 

 

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人口20人志々島(ししじま)、この島に伝わる墓地を見たくて来島しました。

 

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路地を抜けると・・・

 

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ついに現れた、青い屋根! インターネットで見たのと同じ、佇まいです。

 

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青く塗られた切妻屋根の小屋、そのほぼ全てに軒先から垂らされたスダレ(多くは青色)、

犬・・・じゃなくて、これがこの島の墓。

陽当たり良し、風通し良く、生前生き慣れたであろう海のすぐそばの好立地(台風の時は高潮被るでしょうが)。

 

この島を含む塩飽諸島(しわくしょとう)には、「両墓制(りょうぼせい)という名の墓制度が今も残って居います。

両墓制とは墓が両方(2つ)ある、両方の墓とはそれぞれ「埋め墓」「参り墓」と呼ばれる物で、

それぞれが別の場所にあることを指す。(対して我々に馴染みのある墓制度は「単墓制(たんぼせい)」)

古来日本での死者の埋葬は、土葬(どそう、土に埋める)だったわけだが、

死者は穢れたものとする宗教観があり、ある種、忌み嫌われる存在でもあった。

そのような場所で祭礼を行うのは相応しくない・・・

そこで「埋め墓」に埋葬されてある一定期間が経つと(地域によって違うが、志々島の場合は四十九日らしい)

別の場所に「参り墓」と呼ばれる別の墓を設け、以後の祭祀はそちらで行った。

 

そう言った考えから生まれた両墓制だが、この制度で行くと単純に一人につき墓地が2つ必要であり、

いつか日本中は墓で埋まってしまう。

 

・・・わけではないと思うが、忙しい現代人に2つの墓を管理する時間はあまり無い。

その上、現在の埋葬方法は火葬(かそう)が一般的であるため、土中で遺体を処分せずとも良い。

 

そう言った理由から両墓制急速に姿を消していき、このような島嶼部にしか残っていないわけです。

 

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>忙しい現代人に2つの墓を管理する時間はあまり無い。

造花が多く捧げられている事から感じました。(造花を否定する意味ではありません)

 

中には崩れてしまっているお墓があります。

 

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裏に回って見ました。

 

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一人のご老人が、お墓参りにやってきました。

(すだれ)を開けて、水と花を換えて・・・ あれれ?

ここは「埋め墓」なはず。お参りする「参り墓」は別の場所にあるのでは??

(この件はのちほど)

 

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両墓制の説明が近く掲げられていました。

青い屋根の霊屋(たまや)はあくまで志々島独特の文化であり、この小屋イコール両墓制というわけではありません。

 

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丘の上に、寺院らしき建造物が見えました。

そちらに行くと「両墓制」の事、さきほどお墓参りに来ていたご老人の行動がわかるかも・・・

 

行ってみることにしました。

 

続く

 

 

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文 : 四国八十八ヶ所霊場会公認先達 / 四国六番安楽寺出家得度  野瀬照山

 

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