お遍路ブログ

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島に残る古の風習vol.5

平成24年3月2日 島に残る古の風習vol.1? 

平成24年3月3日 島に残る古の風習vol.2 

平成24年3月5日 島に残る古の風習vol.3

平成24年3月6日 島に残る古の風習vol.4 の続き

 

 

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両墓制における「埋め墓」を見学させて頂いていると、丘の上に寺院らしき建造物が。

 

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こちらの交差点に戻り、丘の上へと向かいました。

 

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島で唯一の商店

 

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この島には、本物のレトロが存在します。

猫の額ほどの畑には、まんば(高菜)が青々と茂っています。

空き家・廃屋が非常に多い中で、人間の営みが感じられると安心します。

 

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とにかく路地は狭く、坂が多い。この島にはモータリゼーションが訪れていません。

井戸でしょうか。使われていない模様。

 

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階段が始まり、堆く積まれた石垣が現れました。

麓から見えた建物は、やはり寺院でした。利益院(りやくいん)と言う名、とっても素敵なネーミングです。

 

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奥の山並みは、弥谷山。左に稜線が落ちていった先には、

海岸寺奥の院・御盥山(おたらいざん)の塔が見えます。

 

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利益院さんは、廃寺となっていました。

 

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真言宗の寺院で、聖観世音菩薩を祀っていたようです。

障子の破れ方と言い、ひとけの無さと言い・・・明るいこの時間でも、少し不気味です。

夜来るとチビります、多分。

 

お堂の裏に回ってみると・・・

 

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あった!

 

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海沿いの青い屋根の霊屋埋め墓、

利益院の裏手にあるこの石塔こそ、参り墓に違いありません。

 

しかし、草ぼうぼうでおおよそ参拝されている様子は見られない。

 

・・・おそらくこういうことでしょう。

この参り墓は丘の上、高齢になった島民には訪れにくい場所になっている。

それに加え、現在の埋葬の主流は火葬。埋め墓不要、(遺灰を)埋める墓と参る墓は同じで良いのだ。

(島に火葬場は無いので、四国本土で火葬するようです)

 

つまり、埋め墓恒久的な墓となりつつあり、

両墓制が残っていると言っても、現在進行形で現代日本のスタンダード・単墓制に移行している。

 

最近まで両墓制が存在した島

深刻な過疎化となっているこの島では、そう呼ばれる日が遠くないではないでしょうか。

 

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野に帰りつつある参り墓、参道を挟んで兵隊さんの墓がありました。

 

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鮮やかなビビッドカラーの造花が目に飛び込んできます。

戦争で命を落とした兵隊さんに埋め墓は存在しません。

一般人の参り墓と同じ場所(丘の上の少々不便な場所)にあって、

兵隊さんの(参り)墓はきれいに手入れされた姿が、印象的でした。

 

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島民の参り墓と、兵隊さんのお墓

海岸線には青い屋根の埋め墓(現在、参り墓兼用)

 

海を挟んで、死霊が集まる山とされる弥谷山(71番弥谷寺がある山)

この島に限らず、瀬戸内海の多くの島では人が亡くなると遺体は土に埋葬して、

遺髪は71番弥谷寺に納める「弥谷参り」と呼ばれる習俗が存在したそうです。

 

 

 

 

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文 : 四国八十八ヶ所霊場会公認先達 / 四国六番安楽寺出家得度  野瀬照山

 

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